創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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1381 背景我が国の人口構成は、出生率が低下する一方、高齢人口が増大し、総人口に占める65歳以上の人口の割合(老年人口比率)が、1955年(昭和30年)頃まで5%で推移してきたが、1955年(昭和30年)以降に急速に増大し、1970年(昭和45年)に7%を超え、1985年(昭和60年)に初めて10%を超える(10.3%)に至った。政府(厚生省)は、昭和60年国勢調査を基に、人口変動要因を一定の仮定の下で「日本の将来推計人口(1986年(昭和61年)12月推計)」を取りまとめたが、その新人口推計(中位推計)によると、我が国の総人口は1985年(昭和60年)の1億2,105万人から増加を続け、1988年(昭和63年)には1億3,603万人でピークに達した後、緩やかな減少に転じる一方、人口の高齢化はこれまで以上に急速に進展し、老年人口比率も1985年(昭和60年)の10.3%から、1975年(昭和50年)に16.3%、1996年(平成8年)には23.6%とピークを迎え、全人口の約4分の1が65歳以上の者になり、欧米諸国と比較して最も高齢化の進んだ「超高齢社会」を迎えることになると推測された。こうした状況の下、政府は1986年(昭和61年)6月6日の閣議において、21世紀初頭の本格的な高齢社会の到来に備え、第1に、経済社会の活性化を図り、活力ある長寿社会を築く、第2に、社会連帯の精神に立脚した地域社会の形成を図り、包容力ある長寿社会を築く、第3に、生涯を通じ健やかな充実した生活を過ごせるよう、豊かな長寿社会を築く、という3つを基本方針とした、人生80年時代にふさわしい経済社会システムの構築を目指すための指針として「長寿社会対策大綱」を策定し、この指針を基礎に「活力と包容力のある豊かな長寿社会」の実現に向けて総合的に各種施策を推進することとされた。2 事業の創設本財団は、この様な状況に対応するため、政府が推進する長寿社会対策の指針として、1986年(昭和61年)6月に閣議決定された「長寿社会対策大綱」に基づき、都道府県、市(区)町村がそれぞれの地域に適合した施策を樹立し、それぞれの地域において一人一人が心豊かで、自立と連帯の精神に立脚して形成される魅力ある地域社会が築かれるよう、長寿社会づくりのためのソフト事業に取り組んでいる都道府県、市区町村の事業を支援することを決定し、1989年 (平成元年)から地域医療等振興事業費交付金交付事業に取り組んでいる。なお、1997年(平成9年)度以降の交付事業については、高齢社会対策基本法(1995年(平成7年)11月15日法律第129号)により政府に義務付けられた高齢社会対策の基本的かつ総合的な指針である「高齢社会対策大綱(1996年(平成8年)7月5日閣議決定)」に基づき実施し、さらに、2003年(平成15年)度から2011年(平成23年)度までの交付事業については、「高齢社会対策大綱(2001年 (平成13年)12月28日閣議決定)」に基づき実施し、2012年(平成24年)度より「高齢社会対策大綱(2012年 (平成24年)9月7日閣議決定)」に基づき実施している。事業概要長寿社会づくりソフト事業費交付金交付事業

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