創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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栃木県が発行する地域医療等振興自治宝くじの収益金を財源に、地域医療等振興事業費交付金交付事業は、1989年(平成元年)より都道府県、市区町村等が高齢社会対策大綱の実現に資するために行う「長寿社会づくりソフト事業」に対し交付金を交付している。しかしながら、急激に進行する少子・高齢社会を迎え、へき地などの地域社会を取り巻く環境は大きく変化しており、地域住民の方々の要望に応えて充実したサービスを提供する自治体の責任はますます大きくなっている。このような流れの中、都道府県、市(区)町村の行う、保健・医療・福祉分野における各種施策への対応が迫られていることから、1999年(平成11年)より当財団の事業として、この交付金だけでは対応しきれないような広域的な視点を有するもの、高度の専門性を有するものや単独の自治体だけでは対応しきれないものに対応するため、人材育成事業や地域医療・福祉に係るモデル事業等のような実践的な事業として「地域医療・福祉等高度化促進支援事業」を実施している。ア 人材育成事業全国の地方自治体や地域医療関係団体等が推進する健やかな長寿社会づくりに寄与することを目的に、保健・医療・福祉事業に関することをテーマとした研修会を全国各地で、専門職員や地域住民を対象として様々な『現地研修会』を開催している。これらの研修会は、1975年(昭和50年)より実施しており、各研修会とも好評を得ているが、急激な医療知識・技術の進歩、保健・医療・福祉制度の複雑化等に対応して、研修会の充実を図っている。また、「健康福祉プランナー養成塾」は、講義、グループ討議等を通して包括医療などを視野に入れ、行政職員においては保健・医療・福祉についての深い理解と専門的な知識、長期計画を構想し、具体化する企画・立案力を、医師においては住民の要望、自治体の財政状況を理解し、保健・福祉の行政サイドと協力する調整能力の養成を目的に1999年(平成11年)より実施している。イ 地域医療に関する県民フォーラム事業地域社会における住民の健康及び福祉の向上等に寄与するため、研修事業、調査研究事業、交付金交付事業等を展開し、継続事業として一定の成果が得られていると考えている。しかしながら、一段と厳しさを増す地方自治体の財政状況の下、地域社会における少子高齢化の急速な進行、これに伴う医療ニーズの構造化、新臨床研修制度の影響による医師の流動化等によって医師不足が一層深刻化するなど地域医療に関する様々な課題が噴出してきている。このようなことから、都道府県を実施単位として、行政・関係機関・住民が一体となって地域医療に関する包括的な課題について把握・検討・討議し、もって当該都道府県における地域医療の充実確保に寄与するとともに、地域が一体となって自らの地域医療について考える全国的なモデル事例として役割を果たす事を事業趣旨とする『地域医療に関する県民フォーラム』を2006年(平成18年)より開催している。ウ 地域医療を守り・育てる住民活動全国シンポジウム事業地域医療の危機的状況を背景に全国各地で地域医療を支援する自主的住民活動が展開され始めており、一定の成果を上げているが、活動の継続性に共通の課題を有していることから、地域医療を支援する全国各地のボランティア活動団体相互の活動ノウハウの交換等を行うとともに、全国ネットワークの形成を図り、持続的・発展的な地域医療支援活動の展開に資することを目的として、150事業概要地域医療・福祉等高度化促進支援事業

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