創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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10へき地生態科学研究所時代から病態生理研究部門の臨床検査医学研究室スタッフとして数々の研究に関与してきた。また、本財団の研修委員会(中央ならびに現地研修会)や長寿社会づくりソフト事業費交付金交付事業の採択審査や成果審査委員会、地域医療白書(へき地医療の現状と課題)作成、あるいは機器整備事業のための機器選定委員会等々多くの財団・研究所の事業に参画してきた。特に地域医療情報研修センターと福島県磐梯町と福井県名田庄村との三か所をテレビ会議システムで結んだ研修会(財団創立30年記念事業)は大きな事業であったと記憶している。へき地生態科学研究所は平成10年に地域社会健康科学研究所として名称変更がなされ、構成部門の組織についても改編された。その組織は、環境医学研究、血液医学研究、保健科学研究、健康福祉研究、病態生理研究、情報システム研究などの各部門、およびさいたま支所、実験医学センターとなり、各々の研究テーマについて成果を上げた。詳細については本記念誌に記録されている。地域社会健康科学研究所の副所長となり、髙久史麿所長(学長)の補佐として研究所の多岐に渡る事業の運営・調整を行ってきた。このことは事務局のスタッフの力によるところが大きい。健康福祉プランナー養成塾の塾長の髙久先生を補佐する副塾長も仰せつかったが、これに関しては坂本敦司先生の力によるところが大きい。副所長として気持ち良く、多くの仕事が出来たことは幸せなことであった。前任者から多くの事業を引き継ぎ、継続出来たとともに、新しい事業も多く創出出来たのではないかと思う。地域社会振興財団は高齢社会対策大綱を実現するために、地方自治体を支援するための事業を行うことを国から要請されているのである。この目的を実現するために調査研究、機器整備、研修、地域医療等振興事業費交付金交付などの事業を実施してきた。本財団並びに研究所の事業は多岐にわたるとともに、全国の自治体や自治医大卒業医師達との共同事業でもあり、研究部門における深化した研究内容を有するとともに、第一線のへき地における医療を実践している医師達と密着した作業でもあった。関係したスタッフは医師も事務局員も全国を走り回っていたという印象が大きい。事務局長、次長を初め多くの事務局スタッフは全国の町や村単位の自治体スタッフ、へき地において■身する若い医師達と同志的連携を持っていたとの印象がある。おそらく、そのような第一線で苦労し精進している人たちの一人一人をもっともよく知っているのだと思われる。これからもこの事務局スタッフと研究部門のスタッフ達が、理事長や所長(学長)、副所長を支えて新しいへき地医療の向上を進めていくものと信じる。退任後も新しい研究のための機器整備に関わる審査、評価などの外部委員としてもお役に立っているところであり、また財団に理事として参画する機会を与えられているので、今後も本財団及び研究所とは関係を密にしていくことになると思われる。前地域社会健康科学研究所副所長 伊東紘一(自治医科大学名誉教授・常陸大宮済生会病院長)前地域社会健康科学研究所副所長としての随想

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