創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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論を積み上げ、提言としてまとめた。(図)構成は、第Ⅰ章からⅤ章からなり、第Ⅰ章は「地域医療の全体像」、Ⅱ章「保健、医療、介護、福祉の連携」、Ⅲ章「地域医療に関する情報発信と啓発活動」、Ⅳ章「地域医療に関する問題解決の方法」、Ⅴ章「地域医療データバンク」をテーマとしている。4. 地域医療白書の今後地域医療の現状と変化を正確に測定し、将来を予測する必要がある。そして、分析結果からその時世に適した住民のための解決方法を提案していくことが重要である。更に、この提案が、医療者や住民の行動や、政策に役立つ提言となることが望ましい。本白書が、この複雑かつ混沌とした医療社会に一筋の光をともし、より「安心して暮らせる社会」に向けての道しるべになることを期待する。図.提言のまとめ地域医療白書 第1〜3号1941. 地域医療白書の歴史1998年(平成10年)8月、高久史麿学長の発案により、「わが国の地域医療の現状と課題」を分析するために、白書作成へ向けた準備委員会が設置された。そして、梶井英治教授を中心に第1号が作成され、2002年(平成14年)3月に刊行した。第1号では、「へき地医療における現場と課題」について全国調査が実施され、「地域包括ケア」をはじめとして、これまで地域医療の現状について憶測されていたことを明確に示された。5年後の2007年(平成19年)3月発刊された第2号では、「住民が求める地域医療」「地域医療を支援するシステム」「地域医療を担う人材育成」についても言及した。そして、2012年(平成24年)3月に第3号が完成した。第3号は、「安心して暮らせる医療づくり」を目標に掲げ、刻々と変化している地域医療の現状を再調査し、その解決策を提案した。2. 地域医療白書の特徴現状報告に終始した白書とは異なり、本白書は現状を踏まえて課題を抽出し、その課題に対する解決策を提言している点が特徴のひとつである。また、地域医療を実践した自治医科大学地域医療学センター内の教員が中心に作成しており、その課題や提言も現場の状況を見事に反映している。日々の多忙な業務の中、ご尽力頂いた。更に、住民の皆さまにも理解して頂けるように可能な限り具体的な方法を明示し、コラムによる解説も加えている。そして、より多くの方にご覧頂くために、ダイジェスト版パンフレットを作成するとともに、本書も全国市町村や医療機関に無料配布し、全文を自治医科大学のホームページ(http://www.jichi.ac.jp)で公開している。3. 第3号の紹介まず、約13名の編集委員を中心に編集委員会を構成し、9回の委員会を通して地域医療の現状を整理し、課題を抽出した。更に、類似した課題ごとに「医療・制度・教育」「介護・保健・福祉および連携」「医療報道・啓発」「研究」の4つのチームを結成して調査も行った。そして、このような過程の中で議■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ゃ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■自治医科大学地域医療学センター・地域医療学部門 竹 島 太 郎地域医療白書「安心して暮らせる医療づくり」

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