創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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地域社会振興財団の40周年記念シンポジウムが、平成24年11月23日に、自治医科大学地域医療情報研修センター大会議室で開催され、医師、保健師などの医療関係者のほか、行政関係者や住民など、幅広い立場の約70名が参加しました。「『保健・医療・福祉活動を通した地域づくり』〜地域で活躍している医師、保健師たちの活動紹介を通じて地域づくりを考えよう〜」をテーマに、4人のパネリストの活動報告を中心に、会場からの質問や意見も交え、3時間にわたり熱のこもった議論がなされました。このシンポジウムの司会者として、その概要をご報告します。(パネリスト)まずは、パネリストのご紹介です。今回は、次の4人の方々にご登壇いただきました。いずれも、自分自身の理想と理念を持ち、一歩も二歩も前に踏み出し、周りを巻き込みながら、着実に変化を生み出しておられる方ばかりです。①後藤 忠雄:(郡上市地域医療センター長、医師、自治医大医学部卒岐阜県12期)地域医療を志し実践を積み重ねておられる現場医師。計画・実践・評価とエビデンスを重視し、住民、行政と一体となった地域医療の充実に取り組んでいる。②菅谷 昭:(長野県松本市長、医師)医師としての専門知見を活かし地域づくりに取り組んでいる現職市長。チェルノブイリ原発事故医療支援活動に参加し、現在は市長として「健康寿命延伸都市・松本」の創造に向けたまちづくりを推進している。③福原 円:(小山市健康増進課保健師、自治医大大学院看護学研究科修士課程修了)市民の健康づくりに取り組んでいる行政の現場保健師。生活習慣病予防の取組みを広げるため、職域など多様な地域資源をつなぎネットワークづくりを進めている。④町村 純子:(株式会社ゆう地域支援事業團 代表取締役、保健師)元は行政の保健師。行政を飛び出して会社を設立し、民間の立場で、発達支援・アンチエイジングコンサルタントとして健康づくりの支援活動を全国各地で行っている。(シンポジウムの構成)今回のシンポジウムでは、まず、4人のシンポジストにそれぞれ15分ずつ基調発表をしていただき、その内容に対して司会者が問いかけをして内容を確認した後、キーワードを一つ提示していただくという講演形式での第一部と、各パネリストの間での意見交換と会場から質問や意見をいただいての対話形式による第二部という、2部構成で行いました。(シンポジウムの概要)シンポジウムの詳細については、後日発表予定の報告書に譲ることとし、ここでは、パネリストのご発言を中心に、概要をご紹介します。(後藤さん)エビデンスに基づいた公衆衛生や、 総合医というよりも地域医療医という考えは、その実践が伴ってのことだけに、説得力がありました。そして、住民と医療関係者と行政が一体となった地域づくりを、システム化という視点を持って進めていくという話は、基本中の基本だと感じました。また、多様な人や組織を巻き込んで、ノウハウの共有を進めていかれる力が、印象的でした。キーワードは、「住民と医療人と行政が一緒になった地域づくり」。(菅谷さん)菅谷市長が時代に先んじて提唱された「健康寿命延伸」は、近年、厚生労働省の健康日本21でも取り上げられたとのこと。生き方を問い「地域が生きているまち」をめざし、めざすべき戦略をしっかりと打ち出すことこそ首長の責任、時代の先取りをする都市づくりを進め国際会議も開催している、それ201広島県地域政策局国際部長 橋 本 康 男財団40周年記念シンポジウム報告

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