創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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 國 田   智実験医学センター(Center for Experimental Medicine)は、共同利用・集中管理方式の動物実験施設であり、本学創立の1974年(昭和48年)に本館の一部に開設された実験動物センターがその前身である。バイオハザード実験区域およびラジオアイソトープ実験区域を加えた中央棟が1987年(昭和62年)に落成し、1989年(平成元年)には実験医学センターに改称された。2009年(平成21年)には、ブタ等の大型実験動物を用いた医療技術トレーニングおよび医学研究を柱とした先端医療技術開発センター(Center for Development of Advanced Medical Technology)が本学第二の共同利用動物実験施設として開設され、実験医学センターはマウス・ラット・ウサギ等の小型実験動物に特化した動物実験施設として現在に至っている。この10年間に飛田清毅教授、小林英司教授、遠藤仁司教授がセンター長を歴任され、時流のニーズに応じた施設運用の改革、遺伝子改変動物作製・保存等のための支援体制整備に尽力されてきた。その結果として、医学研究に不可欠なバイオリソースとして遺伝子組換えマウス・ラットの利用が飛躍的に増加した。現在、本センターで飼育されている動物のうち、マウスとラットが99.8%を占めており(表-1)、その半数以上が遺伝子組換え動物である。また、再生医療や遺伝子治療等の研究分野では、実験動物を用いた移植実験や遺伝子導入実験が盛んに行われている。さらに、バイオイメージング等の個体・細胞解析技術の進歩、特殊動物系統の研究者間での授受の増加など、研究動向の急速な変化に応じた柔軟な対応が本センターに求められている。2011年(平成23年)7月からは獣医師である國田が専任教授としてセンター長に就任し、センター教職員が一丸となって、発生工学技術によるバイオリソース開発・保存や繁殖補助等の支援業務を一層充実させることに加え、検疫および微生物クリーニング・スキームの整備による感染症対策や微生物学的品質管理の向上、および近年需要が高まり多様化が進んでいる易感染動物の飼育管理システムの構築など、飼育・実験環境の整備をさらに推し進めている。一方、この10年間に安全衛生や環境保全、動物福祉に関する規制が強化され、各種コンプライアンス対応が研究機関の社会的な責任として必須条件となった。2004年(平成16年)に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)が施行され、本センターでも法令に適合した遺伝子改変動物の拡散防止措置の整備を行った。さらに、系統毎の頭数管理ルールを策定し、現在これに基づき一層の適正運用を図っている。2006年(平成18年)には改正動物愛護管理法ならびに「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」が施行され、自治医科大学でも動物実験の自主管理体制を再整備した。動物実験計画の審査、動物実験実施結果の把握、動物実験実施者の教育、自己点検評価、情報公開などに関しても、本センターが主導的役割を果たして推進している。2012年(平成24年)度中には動物実験に関する相互検証プログラム(国立大学法人動物実験施設協議会・公私立大学実験動物施設協議会)に基づく外部検証を受ける予定である。これにより、本センターにおける動物実験の適正な実施体制と実施状況、あるいは動物福祉に関する先進的な取り組みについて、広く社会的な認知が促進されるものと期待される。10年以上前には多くの医科系大学で、大動物実験あるいは医療技術トレーニング用に地方自治体から譲渡されたイヌが利用されていた。しかし、本センターでは早い時期から譲渡犬の代替動物としてブタに注目し、その安定かつ安全な利用に向けた調査研究を行ってきた結果、2003年(平成15年)には譲渡犬の利用を中止し、全国に先駆けて実験動物と32実験医学センター

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