創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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地域社会振興財団は、設立当初より、へき地・地域で抱える諸問題について、基礎的、臨床的、さらに総合的な調査研究事業を行ってきた。1973年(昭和48年)4月に環境医学研究部門、血液医学研究部門の2部門からなる『へき地生態科学研究所』が新規に設置され、さらに1989年(平成元年)5月には同研究所大宮支所が設立された。1991年(平成3年)7月に病態生理研究部門、情報システム部の2部門並びに実験医学センターを加え、その後、地域社会における高齢化、少子化の急激な進行や介護保険制度の実施をはじめとする保健・医療・福祉を統合した新たな施策に対するニーズに対応するため、1989年(平成10年)4月に保健科学研究部門、健康福祉計画研究部門の2部門を加え、その名称を『地域社会健康科学研究所』に改めた。これらの、部門は本財団が機器整備事業を遂行するうえで、さらにまた、研究成果を達成するうえで重要な役割を果たしてきた。これまで、機器整備事業は、5か年計画でその目標を設定し業務を行ってきた。1992年(平成4年)度または翌年より開始された5か年間では、へき地住民の高齢化に伴う疾病分布の変化と効率的な診断法の開発研究、血中各種成分の変動と臓器の老化現象との関連、血液疾患の中でも特に白血病を中心とした血液幹細胞の分子生物学的研究、担がん生体の分子生物学的ならびに病態生理学的変化研究、情報機器導入によるへき地医療活動支援システムの研究が行われた。これらには、それぞれ18点の機器を設置することができ、各部門で事業に基づく研究が遂行された。その後も、地域・へき地の実態に合わせた研究を行うために、研究テーマを見直しながら、JKAの援助のもとに毎年機器整備事業を行ってきた。最近の例として、2010年(平成22年)度のテーマをみると、「地域における疾病の特性と環境要因の解明」、「地域における疾病の特性と遺伝要因の解明」、「病態検査、臨床生理等に関する研究」、「悪性腫瘍の発生機序等に関する細胞病理学的研究」、「生活習慣病または難病に関する基礎的研究」があげられている。本財団の整備事業により、地域・へき地に焦点があたった基礎的、臨床的、さらに疫学的研究が円滑にすすめられ、多くの研究成果を上げることができた。今後も、この事業が地域・へき地の保健、医療、福祉の分野に大きく貢献できることを願っている。37機器選定委員会委員長 谷 口 信 行機器整備事業について

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