部 門保健科学研究部門① 自然、生活、社会等の外的環境及び心理、栄養等の内的環境が、健康、老化等に及ぼす影響についての総合的な調査研究研 究 内 容研 究 成 果各種トランスジェニック動物のスクリーニングを行った。リアルタイムin vivoイメージングシステムを用いることにより、動物資源を有効に活用して遺伝子の発現の評価を行うことができ、動物愛護の観点からもきわめて有用であった。造血幹細胞遺伝子治療に必要な、幹細胞(造血幹細胞やES細胞)の効率的な遺伝子操作技術と、造血幹細胞遺伝子治療のサルモデルの開発に必要なFACSCalibur HGフローサイトメーターを用いて、その有用性と安全性を研究し、成果が得られた。サルの造血幹細胞遺伝子治療法の開発研究において、サルレンチウイルスやセンダイウイルスを用いると、従来法より効果的にサル幹細胞に遺伝子導入することができた。サルの系では、骨髄内移植法と選択的増幅遺伝子法を併用すれば、移植前処置なしでも従来法と同水準の結果が得られることが判明し、今後の研究へとつながる成果が得られた。保健科学研究部門は、自然、生活、社会等の外的環境及び心理、栄養等の内的環境が、健康、老化等に及ぼす影響についての総合的な調査研究を行ってきた。動脈硬化症は我々の生命予後とQOLに対する脅威になっている。当該事業において、血管構成細胞であるマクロファージ、血管平滑筋におけるコレステロール代謝の調節機構を解明し、マクロファージにおけるコレステロール放出にかかわるABCA1の転写制御機構を明らかにした。また、コレステロール合成系に異常を有するモデル動物を作製し、膵β細胞におけるインスリン分泌と脂質代謝の意義について検討し、成果が得られた。血管平滑筋の泡沫化におけるACAT1の意義について明らかにした。さらに、肝臓と血管内皮細胞においてコレステロール合成能を欠損するマウスを作製し解析中である。高インスリンは糖尿病・高血圧・動脈硬化等の生活習慣病の発症・増悪に重要な病態的位置を占めている。その基礎的研究目的で、肥満動物におけるアディポサイトカイン、膵島ホルモン分泌の質的量的変化を測定し、その中からインスリン分泌亢進をもたらす責任分子を同定し、肥満および高インスリン血症をもたらす中枢神経・脂肪・膵島細胞の機能変化、整備機器47
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