部 門① 地域における環境要因による疾病の発生とその要因の解明についての研究を行ってきた。研 究 内 容研 究 内 容研 究 成 果移行阻腸皮化能性が示唆された。消化器疾患(胃炎、胃癌、胆道疾患)、呼吸器疾患症例から採取した検体の保存に超低温槽が有用であった。また、培養中の生きた細胞で、ホルモン遺伝子の発現量を定量するシステムを作成し、細胞の接着は遊走減少ではなく細胞接着因子を介した細胞の選別によるものであることを明らかにした。SIXタンパク質を過剰発現ないし、発現阻害をするアンチセンスRNAを発現させ、細胞増殖や分化への影響が認められた。その細胞株から、各タンパク質およびmRNAを抽出し、遺伝子の発現パターンやタンパク質の発現パターンを解析し、SIXタンパク質の標的遺伝子の同定と、作用機作の解析を行い成果が得られた。研 究 成 果地域においても環境汚染物質が人の健康に影響を与えることが知られている。環境汚染物質として重要な重金属のひとつであるカドミウムの慢性中毒は貧血を引き起こすが、この研究ではその機序を解明するために、ラットを用いた動物実験を行った。採取した臓器を排出ガス中和洗浄排気式ドラフトチャンバーシステムで湿式灰化し、その後、原子吸光光度計を用いて鉄やカドミウム濃度の測定を行った。その結果、カドミウムが臓器中に蓄積するにつれて貧血が進行するが、臓器中の鉄濃度は減少せず、むしろ多少増加する傾向が見られた。すなわち、慢性カドミウム中毒では体内の鉄の有効利用が妨げられるために造血が抑制され、貧血が惹起されることを示唆するものである。また、急性カドミウム中毒で惹起される炎症反応の機序を解明するため、マウスを用いた動物実験も行った。カドミウムをマウスに投与した後、一定時間毎に末梢血や肝臓、腎臓などを採取し測定を行った。その結果カドミウムを腹腔内に投与すると急速に全血中カドミウム濃度は上昇するが、その後、次第に低下し、しかも赤血球中濃度の方が血漿中カドミウム濃度よりも高くなることがわかった。さらに、日本の地域において増加しつつあるアレルギー疾患の環境要因を解明① 排出ガス中和洗浄排気式ドラフトチャンバーシステム② アレルギー関連物質・細胞の動態測定システム整備機器整備機器49平成18年度部 門環境医学研究部門
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