部 門研 究 内 容研 究 成 果系代培養や特殊培養を行う事にり、自律増殖性を獲得しあたかも膵臓癌のような細胞学的特徴を獲得する事が知られ、この膵星細胞自体が膵臓癌の発生由来となっている可能性も示唆されている。そこで、この膵臓癌の由来細胞である可能性が有るPSCの細胞周期制御機構を解明し、その癌化機構を明らかにしてその機構を抑制する方法を見いだせば、膵臓癌治療開発の理論的一助となると考え研究を遂行した。その結果、Smad3過剰発現群に於いてPSCアポトーシスを促進することが明らかになり、Smad蛋白機能を遺伝子工学的手法を用いて制御する事により、その癌化を抑制出来る可能性が示唆された。生活習慣病の中で高脂血症、糖尿病等は重要な疾患である。近年クローニングされた新規の中性脂肪分解酵素はこれまでに明らかにされてきたリパーゼファミリーに属し、メタボリックシンドローム及び動脈硬化発症に関連する遺伝子と考えられるが、詳細な機能については不明である。そこで、本事業では各種細胞株に遺伝子導入を行い、新規中性脂肪分解酵素であるTriglycerdie hydrolase (TGH)-1及びTGH-2の細胞内脂質代謝との関連について検討した。中性脂質水解酵素群の機能解析として、特にマクロファージにおけるコレステロールエステル(CE)と脂肪細胞おけるトリアシルグリセロール(TG)の加水分解の分子機能に注目し検討を行った。その結果マクロファ−ジ系細胞へのホルモン感受性リパーゼ、中性CE水解酵素の過剰発現によってCEの水解の亢進、CE蓄積の減少、CE形成の抑制が確認された。この時細胞内から細胞外へのコレステロール放出の亢進を伴い、ABCA1遺伝子の発現誘導が確認された。ABCA1遺伝子プロモーター上のDR4領域にあるLXREへ転写因子LXRの結合を介することが明らかになった。近年患者数が急激に増加している糖尿病による、腎症、心血管障害、脳血管障害等はその生命予後を左右する重要なものであり、予防及び早期治療が不可欠である。そこで、組織定量システムを用い、自然発症2型糖尿病(SDT)ラットの糖尿病性心筋障害の機序と、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の心保護作用の有無を検討した。その結果、健常ラットに比べ整備機器58
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