創立40周年記念誌 地域社会振興財団
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① 地域における疾病の環境要因の解明に関する研究研 究 内 容研 究 成 果蛍光の波長を自由に変化させて測定のできるマイクロプレートリーダー(Spectra Max M5)の導入により、アレルギー発症動物における血清中のアレルゲン特異的IgE抗体が測定できるようになった。このシステムを利用して以下の実験を行ない、成果を得た。卵白アルブミン(OVA)溶液を抗原とし、マウスの眼球結膜、鼻粘膜に塗布して抗OVA IgE抗体の誘導に成功した。つぎにマウスを2群に分け、1群には旋毛虫Trichinella spiralis Polish strain (Tsp)を感染させ、残りの1群には感染させなかった。Tsp感染5週後全マウスを殺処分し、OVA特異的IgEをELISA (enzyme linked immunosorbent assay)およびPCA(passive cutaneous anaphylaxis受身皮膚アナフィラキシー)反応にて評価した。ELISAによるとOVA特異的IgEはTsp感染によって増加あるいは減少することはなかった。一方PCA反応ではTsp感染群血清においてOVAによる皮膚反応の強い抑制がみられた。Tspの感染を受けたマウスの肥満細胞が非特異的IgEによって占領されたため、OVA特異的IgEのFcレセプターへの結合、あるいは架橋反応が阻害されたためと考察した。総IgEは OVA塗布のみのコントロール群では0.25μg/ml以下だったが、Tsp感染群では2.9〜11.7μg/ml と高値を示した。このうちTsp特異的IgEはごくわずかであると考えられた。以上より、OVA特異的IgEが存在していても、寄生虫感染により非特異的IgEを増加させることで、競合的にI型アレルギー反応を抑制できる可能性が示された。植物とネズミマラリア原虫の比較ゲノム解析を行う過程で、植物受精にとって必須な遺伝子GCS1と同じ(ホモログ)分子がネズミマラリア原虫に存在する事を見つけた(PbGCS1)。そこでPbGCS1遺伝子欠損ネズミマラリア原虫を作成し、その表現型解析を行った。その結果、欠損原虫はネズミ赤血球内では正常に発育するものの、蚊の体内に取り込まれると完全にその発育が停止するという特徴を示した。さらに詳細な解析を行った結果、GCS1が欠損することにより、蚊の消化管受整備機器60平成20年度部 門環境医学研究部門

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