部 門① 地域における疾病の特性と環境要因の解明に関する研究研 究 内 容研 究 内 容研 究 成 果特徴的な細胞受容体再構成有し、HTLV-I感染細胞に対して強い免疫応答を示すことが示唆された。今後はより多くの症例数の研究結果と臨床経過を照らし合わせることによって、臨床的な抗腫瘍効果の高いCTL cloneを同定し、そのTCRレパトアの全長を他のT細胞に遺伝子導入して増幅することによって、将来的に臨床応用が可能なTax特異的CTLの細胞療法を開発することを目指す。研 究 成 果「胎児期および新生児期の免疫系・神経系・内分泌系の発達に関する環境要因に関する研究」は、平成22年8月より妊婦リクルートを開始し、平成23年3 月まで全ての出産が終わり、153名の新生児を追跡している。登録した全ての妊婦では異常な出産、死産等はなく、奇形等もなかった。胎盤、臍帯などの生体試料は保管してあり、現在、胎盤機能に関連する遺伝子群に対するin situ ハイブリダイゼーションおよび蛋白質に対する免疫組織化学染色を準備中である。今回は、平成22年度〜平成23年度にかけて、「ベンタナXTシステムディスカバリー」を使用して研究した動物実験による「妊娠期の鉄代謝に関するエストラジオールの影響」について報告する。鉄欠乏食を長期間投与したラットに、女性ホルモンであるエストラジオールを皮下投与すると、肝臓中ヘプシジンおよび十二指腸中フェロポンチンのメッセンジャーRNA量が変化した。また、肝臓と脾臓中の貯蔵鉄が増加する。「ベンタナXTシステムディスカバリー」を使用して免疫組織化学染色を行い、総括的に判ったことは、鉄欠乏状態では、エストラジオール投与で、十二指腸での鉄搬送タンパクが増えることにより、妊娠時の鉄需要の増大、造血亢進を助けている。しかし、エストラジオール投与量が生理的範囲以上に多くなると、むしろ鉄吸収抑制に関与するヘプシジンが増えることにより調節している。以上より、妊娠時の貧血、鉄需要の増大など、鉄代謝と妊娠との関連に関して重要な基礎的知見を得られた。① ベンタナXTシステムディスカバリー整備機器整備機器75平成22年度部 門環境医学研究部門
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