部 門血液医学研究部門① 地域における疾病の特性と遺伝要因の解明に関する研究病態生理研究部門① 病態検査、臨床生理等に関する基礎的・臨床的研究② 悪性腫瘍の発生機序等に関する細胞病理学的研究研 究 内 容研 究 成 果妊娠期には、胎児の成長のため造血を促進している。また、それ以上に胎盤への血流量の確保のため循環血液量が増え、血色素濃度およびヘマトクリットは低めとなる。しかし、妊娠期に鉄欠乏になることもある。今回の研究の成果で、妊娠中の血中女性ホルモン濃度の高い状況での鉄代謝の実体を明らかとなってきたので、今後の胎児の正常な発育発達に役立つ知見と考えられる。インヒビター保有血友病患者に対して、有効な免疫寛容誘導療法の開発を視野に入れ、血友病マウスを対象に植え込み型マイクロポートシステムを導入し、凝固因子の安定的な頻回投与を実現することにより、抗原特異的な免疫寛容が誘導されるマウスモデルを確立し、免疫寛容誘導機序の解明を目指すものである。血友病マウスに対してマイクロポート本体を植え込む技法を確立し、適切な抗凝固因子インヒビター力価を有する感作マウスを作成した。そのうえで、免疫寛容を誘導し得る第VIII因子の投与量および投与頻度の検討を行い、免疫寛容誘導機序としての胸腺組織、脾臓およびリンパ組織の解析と免疫応答性の評価を進めた。特に「エリスポットアナライザー」を用いて、抗第VIII因子特異抗体産生B細胞の動態の評価系のみならず、メモリーB細胞の検出系の構築を進めた。 今後は、難治性で重篤なインヒビターを保有する血友病患者に対して、どのような方法で凝固因子を補充することで最も効率よくインヒビターを制御することができるか、また、その制御がいかなるサイトカイン(生理的活性物質)を介して成立するかなどの情報を得ることができるとともに、インヒビターが発生していない血友病患者に対して、凝固因子特異的な制御性T細胞移植療法などを併用した凝固因子補充などのように、インヒビターの発生を未然に防ぐような新しい治療法の開発を、「エリスポットアナライザー」の解析データを基盤に据えながら実施する予定である。難治性疾患克服研究事業に含まれる疾患である末端肥大症、クッシング病は、両者とも下垂体前葉ホルモン産生細胞の腫瘍化によって引き起こされる。下垂体① エリスポットアナライザー① 細胞内遺伝子導入解析システム② バイオアナライザ電気泳動ノートシス整備機器76
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