創立40周年記念誌 地域社会振興財団
87/240

部 門③ 生活習慣病または難病に関する基礎的研究研 究 内 容研 究 成 果前葉を構成する5種類のホルモン産生細共通の前駆細胞(stem cell/progenitor cell)から分化してくることは広く信じられており、その分化に関わる転写調節因子の発現調節機構とその役割が明らかにされつつある。一方、前駆細胞からの分化調節は、単に転写調節因子の機能だけで説明することはできないというのが、研究テーマである。細胞と細胞の接着による細胞間相互作用が、無視できない重要な関わりあいを持っていることを、これまで多くの研究により実証し発表してきた。本研究の目的は、下垂体腫瘍形成において、このような現象が起きているであろうことをラットの正常下垂体前葉細胞や実験的腫瘍前葉細胞を用いて検討することにある。正常の下垂体前葉細胞の発生・分化の過程において、細胞接着(主に接着タンパクであるE,Nカドヘリンを介した細胞接着)による細胞間相互作用が重要な役割を果たしていることは、すでに報告してきているが、さらに下垂体前葉内で局所的に合成されているレチノイン酸も細胞間相互作用的に同様な機能を持っていることも発見し報告している。下垂体腫瘍には、その構成細胞として腫瘍前駆細胞が存在していることを周知の概念としてとらえられている。培養条件下の腫瘍細胞を用いて、細胞接着因子(E,Nカドヘリン)やレチノイン酸合成酵素の発現遺伝子を細胞内へ注入すること等により、それらの因子の強制発現や発現抑制実験を行っているところである。基礎的技術の検討が終わろうとしている段階である。下垂体前葉細胞の腫瘍化により、難治性疾患である末端肥大症・巨人症が発生することは良く知られている。また、時には生命に危険が及ぶこともあり、やはり難治性疾患であるクッシング病も下垂体の腫瘍により発症する。特に後者は、マイクロアデノーマといわれるごく小さい腫瘍によっても発症するが、大きさ1mmであっても大変重篤な臨床症状を呈することもある危険な腫瘍ということができる。あらゆる良性・悪性腫瘍の中で、小さく危険な腫瘍が存在することが最近わかってきた。一方、これらの下垂体腫瘍自体の発症頻度も決して低くなく、頭蓋内腫瘍の15%も占める。このような下③ 胃癌組織遺伝子発整備機器気泳動テム現解析装置77

元のページ  ../index.html#87

このブックを見る