研究機器の整備事業
当財団の「地域社会健康科学研究所」は、地域社会が抱える保健・医療・福祉等の諸問題に関する基礎的・総合的研究を継続して実施していますが、これらの調査・研究事業に必要な研究機器は、公益財団法人JKAからの補助金(競輪公益資金)により実施しています。
特に、最新鋭の研究機器を計画的に整備することにより、研究部門の高度な機能の維持及び拡充が図られており、これらの研究成果は、毎年度「地域社会健康科学研究所報告集」として発刊し、各都道府県保健福祉部など関係方面に配付しています。これらの研究事業により、地域医療発展の一助となるよう努めています。
令和6年度整備機器
整備機器名:32chMRI 対応脳波計セット | |
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研究テーマ | 整備機器 |
『難病及び稀少難病に関する研究』 本装置は、てんかん患者に対してEEG-fMRI計測を行いながら、てんかんに起因する異常脳波と安静時脳活動を同時に計測することができます。また、てんかん脳波を生み出す大脳皮質領域を推定し、機能的ネットワークを担う脳領域の高解像度の同定が期待できます。 全国のてんかん専門医療施設のうち、EEG-fMRI計測を実施しているのは5施設のみであり、本機器を導入することによって、てんかんを主徴とする神経難病の病態解明、遺伝子治療の効果発現機構の解明、睡眠や認知機能に関わる事象関連電位の研究等、地域社会健康科学研究所が取り扱うことができる基礎・臨床研究テーマの拡張も見込めます。 将来的には病的ネットワークを担う脳領域だけを抽出し、外科的介入により選択的に遮断をして、最低限の侵襲領域で最大の治療効果を得るてんかん焦点部位の切除術の開発への貢献を目指します。 |